2014-04-07

書評:TeamGeek Googleによる、プログラマ版の「人を動かす」


どんな本?

プログラマ界隈では話題の本。
Googleのプログラマ達(すんげートンガってそう)を、どのようにしてチームにまとめ上げるのかを、
Googleの中の人が体験記として軽快に語ってくれる。
「人を動かす」のプログラマ版みたいな本、とも。納得。



家に着くまでが遠足 アウトプットするまでが読書

本を読む際は、ラインを引いたり書き込んだりとチェックしながら読み進めるようにしている。
本に対して能動的に向き合うことで、得た知見が脳ミソから抜けにくくなる。
さらに、こうしてアウトプットすれば、たとえ小学生並みの感想であっても自分の血肉になるだろうというところ。

そうして読み終えたときには20を超えるチェックがあったが、
その中でも、特に印象深い3点を紹介しようと思う。


1.途中の作業を見られるのは怖い。

人間は誰にも批判されたくないし、それが未完成のものならなおさらだ。

天才の神話は不安の裏返しなんだと思う。多くのプログラマは、
開始したばかりの作業を共有したいとは思わない。
誰かが間違いをみつけて、このコードを書いた奴は天才じゃないなと思うかもしれないからだ。
Benのブログを引用しよう。
「完成していないものを見られたら、なにか言われるんじゃないかと本当に不安だ。
細かいところまで見られて、バカだと思われないだろうか。」
でも、隠したらダメになる。

コードのこともそうだし、アプリ(web/ネイティブ)もそうだけど、
未完成の状態でチームメンバや、さらには世界中に見られるのは恥ずかしいものがある。
そんなことに囚われない勇気が必要。
とくに、プライベートで書いているコードだと、
完成したら公開するつもりで、未完成のまま飽きて放置なんてのは良くあるケース。



2.僕たちの経験では、メンドクサイ人は道端のウンコと同じ扱いをされる。

影響を受けやすくなれば、それだけ影響を与えやすくなる。
弱いところを見せれば、それだけ強い人だと思われる。
矛盾していると思うかもしれない。
でも、過去に一緒に働いた頑固な他人を思い浮かべてみればいい。
どれだけ説得しようとしても、自分の意見に固執するような人だ。
その結果どうなるだろうか?
僕たちの経験では、チームメンバーはその人を障害物のように「回り道」するようになる。

著者の優しさゆえか障害物、と抽象的に書いてくれているが、
要するにメンドクサイ人は道端のunkoと同じ扱いをされるよと言っている。
個人的には、自分と違った意見は考えの幅を広げさせてくれるので大変ありがたい。みんな頭いいなーって思う。
自分の意見が採用されればよし、採用されなかった不満は(っていう強烈なアレでもないけど)、そのままプライベートな開発のモチベーションになる。


3.彼が相談を持ちかけるのは、"君に" 問題解決をして欲しいからではない。 

"彼が" 問題解決するのを手伝って欲しいからだ。

チームメンバーがアドバイスを求めてきたら、問題解決のチャンスだ!
問題解決ならリーダーになる前に何年もやってきたので、
すぐに問題解決モードに突入してしまいそうだが、それはダメだ。
エンジニアが相談を持ちかけるのは、君に問題解決をして欲しいからではない。
彼が問題解決するのを手伝って欲しいからだ。

サクッと華麗に問題を片付ける様を披露し、ドヤッ(`・ω・´)
とやりたい衝動をおさえて、相手の問題解決を手助けする姿勢が大事だよってお話。
自分で問題解決の原因と方法を知っていればまどろっこしく思えるだろうけど、
答えを与えるのではなく、答えの導き方を教えることがチームを育てる。
これ、育児にも活かせるね。


また、本の中で、
悪い習慣を「やめる」ことはできない、良い習慣と「置き換える」ことならできる、
みたいな話が出てくるが、これについては↓の記事がわかりやすい。


費やした時間で、それ以上の時間を買えるナイスな本だと思う。
他サイトでの書評・感想は以下。







amazonのリンクは↓。
アフィリエイトリンクではないので、マウスのボタンが凹んで戻らなくなるパワーでクリックしてOK。